2020.06.09:ブログ
スワンクリニック銀座 院長 福澤 見菜子
多くの女性が気にしながらも、なかなか相談できないデリケートゾーンの悩み。特に小陰唇の大きさや形状については、正確な情報を得る機会が少ないのが現状です。
この記事では、形成外科専門医の立場から、医学的根拠に基づいた正確な情報をわかりやすくお伝えします。
小陰唇の標準的な大きさについて、医学文献によると日本人の平均は約1.7cm、欧米人では2cm以上とされています。
ただしかなり個人差の大きい部位で、形もいろいろなタイプがありますので、数字はあくまで目安とお考えください
この数値は『日本女性の外性器―統計学的形態論 (日本性科学体系)』という書籍から参考にとってきました。
もう廃盤になった古い本ですが、この分野はきちんとした文献が、特にアジア人版はないので、貴重です。
このブログを読んで下さっている今後婦人科形成を始めたい医師にはおすすめです。
中身はこんな感じです。
小陰唇の大きさや形状は、遺伝的要因をはじめ、年齢、出産経験、ホルモンバランス、体型、人種的特徴などによって大きく異なります。
医学的には、日常生活に支障がなく、痛みや不快感がない状態であれば、サイズ自体は問題ありません。
しかし、下着やパンツでの擦れによる不快感、スポーツ時の痛みや違和感、性交時の痛み、見た目による精神的なストレスなどの症状がある場合は、専門医への相談をお勧めします。
特に症状が継続的にある場合や徐々に悪化している場合、日常生活に支障をきたしている場合は、早めの受診をご検討ください。
診察は女性医師の対応も可能で、まずは詳しい症状や悩みをお聞きします。
現状を確認した上で、治療方法をご提案させていただきます。
症状や程度によって、経過観察や保存的治療(軟膏等の使用)、手術治療(小陰唇縮小術)など、適切な治療法をお選びいただけます。
手術を選択される場合、局所麻酔で約1時間程度の日帰り手術が可能です。
術後は1週間程度の安静が必要となりますが、縫合には溶ける糸を使用するため、抜糸の必要はありません。
手術後の経過については、個人差はありますが、通常1週間で基本的な回復が見られ、2週間程度で日常生活にほぼ支障がなくなります。1ヶ月程度でほぼ完治し、3ヶ月程度で傷跡も目立たなくなってきます。
手術の痛みについては、局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。術後も適切な痛み止めで十分対応可能です。
なお、成人以上であれば年齢制限はありませんが、20歳未満の場合は保護者の同意が必要となります。
費用面については、美容目的の場合は自由診療となりますが、メディカルローンも対応は可能です。
詳しくはカウンセリング時にご相談ください。
小陰唇の大きさや形状は、個人差が大きく、医学的な「正常」の範囲も広いものです。
しかし、日常生活に支障がある場合や精神的なストレスを感じる場合は、遠慮なく専門医への相談をお勧めします。
当院では、患者様の悩みやニーズを丁寧に確認した上で、適切な治療方法を選択し、自然な仕上がりと機能性の両立を重視しています。また、術後のケアとフォローアップも徹底して行っています。
デリケートな部分だからこそ、正確な情報と適切な医学的判断が重要です。多くの女性が抱えながらも相談しづらい問題ですが、適切な治療により、QOL(生活の質)を大きく改善できる可能性があります。
ご自身の体の状態が気になる場合は、ためらわずに専門医への相談をご検討ください。医学的な観点から、最適な解決方法を一緒に考えていきましょう。女性医師による診察も可能ですので、安心してご相談ください。
※本情報は、最新の医学文献と臨床経験に基づいています。ただし、個々の状態や症状は異なりますので、具体的な治療の要否や方法については、必ず医師との対面相談で判断してください。