2023.10.11:ブログ
スワンクリニック銀座 院長 福澤 見菜子
「本当にすみません。
以前、福澤先生に小陰唇縮小をやってもらって、すごく綺麗になったから、大陰唇もやりたくなったんですけど、先生のところは高かったので、ネットで調べた安いところでやってもらったらこんなになってしまって…もう、綺麗には…なりませんよね…?」
つい先日、実際にあったお話です。
こちらの患者様は、大陰唇縮小希望で、ネットで見つけた安いクリニックを受診し、大陰唇縮小と、さらに陰核包茎も指摘され、医師も経験豊富と言っていたので手術を受けたとのことです。
と受診してくださいました。
とても悲しいお話です。
なぜなら、切りすぎたものを取り戻すことはできないからです。
そして、その部分だけではなく、綺麗になっていたはずの小陰唇も、いびつに変形し、それも恐らく元に戻すことはできません。
さらには、患者様は、大陰唇縮小の希望で受診しましたが、陰核包茎の手術も勧められて受けたので、結局支払った金額は、当院の大陰唇縮小よりも高額になったとのことです。
もし、本当に陰核包茎が必要なら、私も初回担当した小陰唇縮小の際に指摘しているはずなので、恐らくこちらも、不要だったかと思いました。
残念ながら、こう言ったエピソードは、珍しい話ではありません。
婦人科形成は、基本的には保険適応外の自費診療なので、価格はクリニックにより違います。
大体の相場というものはありますが、ずっとこの業界で婦人科形成をやってきた立場として、値段についてお伝えできることを正直に書きます。
相場と比べて大幅に安価な料金を設定しているクリニックは安くしないとお客さんが来ない理由があります。
例えば以下のようなことが考えられます。
あなたはこの中のどのクリニックで受けたいですか?
…恐らく、普通の感覚の方なら、どれをとってもこの中で受けるくらいなら受けない方が良い、と思うでしょう。
しかも、婦人科形成は基本的に“切り取る”手術です。
切りすぎたものは、どんな名医でも元に戻すことはできません。
私の経験上、上記以外の理由で著しく安く価格設定しているケースは知りません。
つまり、ものすごく安かったら、必ずこれらのどれかに当てはまっていると考えてください。
極端に安くはないけれど平均価格よりすこし安いクリニックは、腕前でNo.1にはなれないが、そこそこの経験とサービスは提供できるところだと思います。
例えばこのような特徴が挙げられます。
つまり、すべてそこそこ、という立ち位置です。
選びよう考えようによっては、良い選択肢になり得ます。
しかし、失敗するリスクもそこそこ、ということはきちんと理解しましょう。
良い選択肢に変えるために、検討を重ねてみることが大切です。
ひとつずつ解説していきます。
大手クリニックの医師は、手術の腕前も、経歴も、性格も、千差万別です。
良い先生を選ぶコツですが、最近は美容外科医が増えて、医師も得意な施術に特化しないとやっていけない時代になってきているので、婦人科形成を得意と謳っている先生にしましょう。
ただし、婦人科形成は症例写真をネットで見ることが難しく、きちんと実力を確かめる手段が少ないので“自称得意”を信じるか、自分の足で各店舗を回って大手の中でも医師を見極める必要があります。また、オプションにより実際の価格は高くなりがちです。
ちなみに私個人的な感覚では、現在の二大大手クリニックで婦人科形成で有名だった先生は皆、退職されてしまったので、今は婦人科形成で突出して有名な先生は残っていないように思います。(2023.9月現在)
先生と相性が良ければ、仕上がりが失敗するよりも、成功する確率が高いと思います。
懸念すべきは、「No.1になれない理由はなに?」
腕前?人柄?
…これは、手術が終わってみるまでわからないこともあります。
こちらも、成功する確率はそこそこあると思いますが、②よりもややリスキーな選択となります。
というのは、本来美容外科は形成外科専門医などそれなりに専門的な研修を積んで初めてできる領域です。
米国をはじめとする日本以外の諸外国では大体そうです。
相当なトレーニングを積んでからでないと病気ではない患者さんにメスを入れるべきではないとされていることは美容外科医自身は皆知っています。
それに対して、あえてそこをすっ飛ばしていきなり美容を始めるという人間性を、医師として信頼できるでしょうか。
また、クリニックの場所が不便な場合、万が一合併症が生じた際にまたそこに通うことができるかどうかも考えておく必要があります。
ここからは、私の婦人科形成についての経験と、私自身が治療価格の設定をした時にどうやって決めたかを書きます。
私は、形成外科専門医を取得後、大塚美容形成外科・湘南美容クリニックに勤務させていただきました。
約10年間の美容外科医生活の中で、非常に多くの婦人科形成をやらせていただき、症例数でダントツ日本一になったので、次は世界に出ようと思って、アメリカ形成外科学会・アメリカ美容外科学会・韓国形成外科学会などに参加するようになりました。
すると、海外の医師と比較しても、自分は圧倒的に症例数が多いということがわかりました。
また、湘南のような大手にいると、毎月医師の顧客満足度ランキングが出されますが、調査が始まってから、ずっと全国一位で、実際、クレームや合併症もありませんでした。
長くお世話になった湘南美容クリニックには、今もとても感謝していて、売上のために不要な治療を強要されることもなかったです。
ただ、とても忙しく、ずっと続けていくのは難しかったので、退職して、湘南時代の後輩が経営しているwiクリニックの銀座院で婦人科形成部門を立ち上げて診療を開始しました。
当時は、クリニックとしての知名度もなく、私自身も、腕と経験には自信があったものの、それまで自分のところに来て下さっていたお客様は、大手にいたからその中で見つけてくださっていたのか、それとも私個人を目がけてきてくださっていたのか、わかりませんでした。
また、大手時代の症例写真は、そのクリニックに帰属するので、利用することができませんでした。
そのため、価格を安く設定しました。
最安値ではないけれど、そこそこ安くしました。
そうしたら、3ヶ月くらいで全然予約が取れなくなってしまいました。
それを続けていたら、予約が取れないことで、クリニックへクレームが入るようになりました。
これは需要と供給が見合っていない状態です。
顧客満足度というのは、予約の取りやすさもある程度反映されます。
このままでは私の一番の武器である顧客満足度の高さが損なわれると思いました。
そこで、価格を上げました。
そうしたら、予約が少し落ち着いて、結果的に、受けてくださった方の満足度も上がりました。
wiクリニックでしばらく頑張った後、ひょんなことから今度は自分自身が開業することになりました。
せっかく開業するなら、婦人科形成については、予約から治療の完結まで全て最高のものを提供できるようなクリニックを作ろう、と思いました。
そのため、手術台、器具、薬剤、立地、そしてスタッフの人選や教育まで、自分の思いを全て注いで誕生したのがスワンクリニック銀座です。
スワンクリニック銀座の価格は、私が、婦人科形成をずっとやってきた中で、この先生は実力があるなぁと思っていた何名かの先生方の価格を一通り調べて、それらと、自分が思う自分の価値を比較検討して、私が決めました。
現在、手術を検討中のお客様で、当院の価格表を見て、もしかしたら、高いなぁと思う方もおられるかもしれません。
確かに、大手のクリニックさんの表示価格よりは多少、価格は高いです。
(当院は不要なオプションはおすすめしないので、実際はそれほど変わらないという声も…笑)
ただ、形成外科や美容外科の先生から、当院の価格が高いと言われることはありません。
私は、婦人科形成については、当院にいらしていただければ、他のどこで受けるよりも、仕上がりはもちろんのこと、ご来院から完成まで、安心して最高の経験を提供できている自信がありますし、そのために、これまで多くの時間と経験を積んできました。
医師向けに婦人科形成の技術を指導するセミナー講師などもしております。
ものごとには、失敗した時にリカバリーできるものと、一度失われたら元には戻せないものがあります。そして、自分自身にとって大切なものほど、慎重に、良いものを選択していただきたいと考えています。
婦人科形成は、一生に一回の手術です。
業界の価格の裏事情をお伝えすることで、婦人科形成で悲しい思いをする方が減って、より多くの方が、幸せを手に入れてくださることを願っております。