2022.09.30:ブログ
スワンクリニック銀座 院長 福澤 見菜子
婦人科形成でとてもよく聞かれる質問です。
結論からいうと、私は抜糸なしの方が良いと思っています。
・傷の治りが早い
・術後出血や痛みが少ない
・最終的な仕上がりがきれい
抜糸ありと抜糸なしの術式は、単純に皮膚表面を縫うかどうかの違いだけでなく、創内部の処理も違います。抜糸なしは、傷のおもてを縫わずに内側からの操作だけで表面が綺麗に寄るように、抜糸ありよりも細かく縫合をします。結果として、傷の治りや出血という点で見ても経過が早く良くなります。
また、最終的に仕上がった段階での傷も、抜糸なしの方が綺麗です。これは当院で手術をした方に限らず、他院さんで昔手術をした方をみていても、抜糸ありで縫合した場合の、糸の喰い込み跡というのはずっと残ることも多いです。
こちらは、抜糸ありの経過です。
では、抜糸なしの方法にデメリットはあるのでしょうか?
・手技が難しい(執刀医の熟練を要する)
・値段は、抜糸ありと比べると高い
要は、技術力と手間が必要で、それに伴い価格も高くなるということでしょうか。
現在、毎月100名近くの婦人科形成のカウンセリングを担当させていただいております。
大体月に1人は、昔どちらかでお受けになった小陰唇縮小の傷跡修正を兼ねた他院修正希望の方がいらっしゃいます。
傷跡修正の際は、喰い込みの一番深い部分まで小陰唇を追加で切除するしかありませんが、元々かなり小さくデザインされてしまっている場合、もうこれ以上取れない、というケースもあります。
そして、傷の喰い込みは、表面だけの問題ではなく、内部も同じようにやや問題を抱えているので、その部分の処理もしつつ、丁寧に縫合し直します。すると、ある程度満足感の高い仕上がりとなります。
ただし、初めから成功した方と比較するとやはり、ややいびつな形に見えることもあります。
やはり、初回手術でビシっと綺麗に仕上げるのが良いと思いますので、私は抜糸なしをおすすめしております。
抜糸なしなら、かなりしっかり見ても傷がわかりづらい程度には綺麗になります。