2022.07.14:コラム
糸リフト(スレッドリフト)は、肌のたるみの改善やリフトアップの治療として、人気です。
肌を切開することなく、直接皮下組織にアプローチができるので、治療の手軽さと確実性の高さが人気の理由です。
今回は、糸リフトの仕組みから特徴、HIFUとの違いなどを解説していきます。
糸リフトとは、メスでの切開が不要なたるみ治療です。
切開をしないので体や皮膚に大きな負担がかかりません。
ダウンタイムが少なく、即効性があるのが特徴です。
糸リフトは、医療用の専用の糸を引き上げたい肌の皮下組織に挿入します。
糸には、皮膚組織に引っかかるようにトゲのようなものがついています。
皮下組織に糸がピンと張るため、肌のたるみが土台から解消されます。
糸リフトで得られる効果は、たるみの解消だけではありません。
代表的な効果を4つ紹介します。
糸リフトの効果で一番に挙げられるのは、たるみの改善です。
たるみを改善したい皮膚の下の皮下組織に糸を挿入し、土台から引っ張り上げることでたるみが改善されます。
施術後すぐに効果を実感していただけます。
糸の種類によっては、周辺組織の引き締め効果を持つものもあります。
糸リフトでフェイスライン全体の引き締めをおこない、小顔効果を実感できます。
糸リフトを挿入することで、シャープな印象を作ることができます。
皮膚のたるみが改善されることにより、肌にハリがでてシワも改善されます。
また、糸を挿入した部位では周辺組織が刺激を受けてコラーゲンの生成が促されます。
糸を挿入する部位は、患者様のお悩みに応じて調整します。
ほうれい線や口元のシワへのアプローチも可能です。
糸リフトを挿入すると、挿入部位は刺激を受けてコラーゲンの産生がおこなわれるため、肌にハリやツヤがでるなどの肌質改善の効果が期待できます。
糸リフトに使用する糸にはいくつか種類があり、肌を引き上げる力や持続期間が異なります。
糸リフトに使用される糸には、溶けるものと溶けないものがあります。
溶ける糸は、肌に挿入したあと数ヶ月~2年かけて体内に吸収されていきます。
時間とともに、肌の引き上げの効果は薄れていきます。
溶ける糸を使用した場合、異物が体内に長期的に残ることによる感染等の合併症がないことが魅力です。
外科手術でも使用される安全な糸を使用しているので、体内に吸収されて問題になることはありません。
溶けない糸は、一見、長期間にわたってリフトアップ効果を維持することができるように思われますが、実はリフトアップできる期間は溶ける糸と溶けない糸で大差ありません。加えて、
人工的な糸が溶けずに長期間入っていると違和感が生じたり、感染などのリスクも続くため、最近はあまり行われておらず、前世代的な治療となりつつあります。
糸についているトゲ(コグ)の形状にも種類があります。
糸リフトは、コグが皮下組織にひっかかることで組織をもちあげます。
コグは主に、カッテイングタイプとモールディングタイプの2種類があります。
カッティングタイプとは、糸そのものに切り込みを入れて引っかかりのコグを作る方法です。
モールディングタイプとは、糸にコグがついている形状のものです。
糸自体が欠けずに芯として残るので強度が高いことが特徴です。
トゲの構造や挿入する糸の本数は、リフトアップしたい場所やたるみの状態によって異なります。
たるみやシワの原因は、加齢にともなって組織が徐々にのびて、支えきれなくなった部分が落ちてきてしまうことです。
顔周りも同じように、表情筋が衰えてくると組織が下垂し、たるみやシワになってしまいます。
また、コラーゲンやヒアルロン酸が低下することで肌の弾力がなくなり、たるみやシワを加速させてしまいます。
ほうれい線へのアプローチとして、ヒアルロン酸の注入は効果的です。
当院でも施術をおこなっています。
しかし、肌の状態によっては、ヒアルロン酸の注入だけでは十分な効果を得られない場合があります。
ヒアルロン酸注入は、ほうれい線の内側にヒアルロン酸を注入することで、くぼみを埋めてシワを改善する仕組みです。
この施術は、頬の下がりがあまりない方に有効です。
ほうれい線のシワの他に、頬やお顔全体のたるみがある方は、ほうれい線のシワにのみアプローチをしても不自然な仕上がりとなってしまいます。
そのような場合は、お顔全体のリフトアップをしつつ、ほうれい線へもアプローチをする方が自然かつしっかりとした効果を得られます。
たるみの大きな原因は落ちてきた組織であると前述しました。
組織が落ちてくる原因はほとんどが加齢ですが、もう少し詳しく解説すると「加齢や乾燥、紫外線などの刺激による皮膚の弾力低下」、「加齢による筋力の低下」のふたつが挙げられます。
皮膚表面が原因なのか、奥の筋肉からの原因なのかによって効果的な治療方法が異なります。
糸リフトとHIFUは、どちらもたるみやシワの改善に向いています。
しかしアプローチ方法や効果には違いがあります。
糸リフトは肌の下の皮下組織を固定し、肌の土台から物理的に引き上げます。
HIFUは特殊な超音波を照射して意図的に組織へ刺激を与えることで、筋膜や脂肪を引き締めるとともに細胞の生成とコラーゲンの増産を促す施術です。
どちらとも肌のたるみやシワの改善のための施術ですが、アプローチ先が異なります。
お顔の状態によっては両方の施術を受けることで、さらなる効果が期待できます。
HIFUを受けてから糸リフトをおこなう場合、基本的にはHIFUの施術直後から糸リフトが可能です。
逆に、糸リフトを先に受ける場合は、糸の種類によってはHIFUの熱の影響を受けてしまうので1ヶ月程度の期間を空けてからおこないます。
使用する糸の種類や、本数によっても違うので詳しくは医師へご相談ください。
糸リフトはこのようなお悩みの方へ最適な治療です。
・メスを使わずに顔のたるみやシワを改善したい
・たるみの予防をしたい
・レーザー治療では満足できなかった
・フェイスラインを引き締めたい
・肌にハリやツヤが欲しい
・即効性のあるたるみやシワの治療をしたい
・ほうれい線や口横など部分的に気になるたるみがある
糸リフトは、ほうれい線や口横といった部分的なたるみやシワの改善にも有効です。
気になる部位を中心に糸リフトを挿入して、皮下組織から肌を引き上げることができるからです。
部分的に治療をおこなうとしても、お顔全体のバランスが整うように、糸の強度を調整したり他の部位にも施術をしたりします。
糸リフトでは部分的ではなく、お顔全体のリフトアップも可能です。
糸を挿入する部位や本数、糸の種類は、美容医療専門の医師が患者様のお悩みや希望をお聞きし、肌の状態に合わせて提案していきます。
即効性があり、お顔全体といった大きな範囲で効果を得られることもメリットです。
当院では、溶ける糸を使用しての糸リフトをおこなっています。
当院医師の糸リフトの施術歴は、2,000例以上であり、これまでに多くの患者様にお受けいただいています。
お客様アンケートでは、再度糸リフトをおこなうとしたら、当院でおこないたいというお声を100%いただいており、施術の丁寧さと高い技術力に自信があります。
糸リフトの効果を最大限発揮するには、施術部位の解剖学的な理解と適切な処置をおこなうための技術力が必須です。
肌へ余計なダメージを与えないよう、施術方法や麻酔剤にも当院オリジナルの工夫をしています。
たるみの原因や肌の構造を深く理解したうえで、患者様の悩みや希望をカウセリングし、施術後のデザインを決めていきます。
患者様のお顔の状態を診察し、個人に合わせた提案をおこなっていきます。
糸リフトの施術後のダウンタイムと注意点について解説します。
糸リフトのダウンタイムは、挿入する糸の本数や部位によって変わってきます。
とにかく腫れたくない、直後から家族にもバレたくないという場合には、細い糸を用いて最小限の本数で施術を行います。もちろん、必ず変化はありますが、リフトアップ効果のもちとしては、若干短くなります。
一方で、なるべく長く持たせたい場合には、太い糸をたくさん入れればもちも長くなりますが、その分腫れ、内出血、痛みは長引く傾向にあり、最大で1ヶ月程度続きます。
お客様によってご希望が違いますので、きちんとお話をお聞きして糸を選ぶようにしています。
たるみやシワが気になる箇所や、糸リフトを挿入する箇所が、ひどく肌荒れを起こしていたり炎症を起こしている状態の場合、糸リフトの施術ができません。
また妊娠中や授乳中の方や、既往歴によっても施術が受けられないことがあります。
医師の診察やカウンセリングの際にお尋ねします。
施術後は、激しい運動などの、血流が良くなるような行動は控えてください。
糸リフトの施術直後に、長時間の入浴などで血の巡りが良くなると内出血のリスクが高くなります。
施術後1週間は控えていただくことが望ましいです。
糸リフトの効果の持続期間には個人差がありますが、約1~2年といわれます。
一般的には、施術後~半年間が効果を一番実感できます。
肌に挿入した糸は徐々に溶けていき、糸が溶けるとともに効果が薄れていきます。
肌を切開するようなリフトアップ治療では、何年、といった長期間の効果を得ることができます。
糸リフトは、手軽に施術ができますが、大きく皮膚を切開する方法と比較すると効果の持続期間が限定的です。
当院の糸リフトは、患者様のお悩みにあわせて施術部位や糸の使用本数が異なるので、一律価格でのご案内はありません。
公式HPへ症例と料金表を記載していますが、詳しくはカウンセリングの際にご案内します。
当院は、患者様のお悩みに寄り添い、満足度の高い技術力を提供しています。
糸リフトだけではなく、ヒアルロン酸注入や切開フェイスリフトもおこなっており、患者様の肌の状態に合わせて最適な治療をご提案します。
エイジングケアをはじめとして、肌のお悩みなど気軽にご相談ください。
スワンクリニック銀座院長/日本形成外科学会専門医・医学博士
福澤 見菜子
2006年 | 慶應義塾大学医学部卒業 |
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2008年 | 東京大学医学部付属病院 形成外科美容外科 入局 |
2012年 | 大塚美容形成外科 千葉院院長 就任 |
2017年 | 湘南美容クリニック 松戸院院長 就任 |
2019年 | 湘南美容クリニック 赤坂見附院院長 就任 |
2020年 | 医学博士取得 |
日本美容外科学会(JSAPS、JSAS) 正会員 |
日本形成外科学会専門医 / 医学博士 |
埼玉医科大学総合医療センター形成外科・美容外科 ⾮常勤講師 |