2023.11.15:コラム
溶ける糸は溶けない糸に比べて炎症が起こりやすいと聞いて、溶ける糸を使うことに不安を感じる方もいらっしゃいます。
しかし、溶ける糸は抜糸のできない手術等でも使われているため、それほど心配し過ぎる必要はありません。
この記事では、溶ける糸の方が炎症が起こりやすいかどうかについての真相と溶ける糸を使う点におけるメリットについて解説します。
スワンクリニック銀座では、一人ひとりのお悩みに対して丁寧なカウンセリングを行い、体質や肌質に合わせた改善方法をご提案させていただきます。
ケガや切開などの縫合に使われる糸には、溶ける糸である吸収糸と、抜糸が必要な非吸収糸があります。
吸収糸は体内の水分で加水分解されゆっくりと吸収されていきますが、この分解過程で炎症が起きる可能性があるといわれています。
一方非吸収糸は抜糸されることもあり、吸収糸に比べ炎症が起こりにくい特徴があります。
そのため縫合の際は手術場所や状況に応じて、吸収糸と非吸収糸を使い分けているのです。
糸リフトは溶ける糸、溶けない糸とどちらの糸でも施術をすることが可能ですが、スワンクリニック銀座では溶ける糸での施術をおすすめしています。
その理由は3つありますので、1つずつ解説していきます。
多くの方が誤解されているのは、「溶けない糸=リフトアップ効果も永遠」ではないということです。
確かに溶ける糸よりも若干もちは良いとする医師もいますが、溶けない糸がどんなにもったとしても、長くて5年でリフトアップ効果自体はなくなります。
そして、その後は異物として一生体内に残ることになります。
つまり、溶けない糸は、アレルギーや肌トラブル、感染などのリスクを持ち続けることになります。
他にも、年と共に肌の状態が変わりたるみが進行することで、糸が引きつるもしくは、糸が透けて見えてくるといった状態になる可能性もあります。
溶ける糸であれば時間の経過と共に吸収されるため、糸が体内に残り続けることなく、肌の変化にも自然に対応することが可能です。
溶ける糸は2年ほどで引き上げる効果が無くなっていくため、定期的なお手入れが必要になります。
定期的にお手入れをするメリットは、その時にベストな状態に施術できることです。
肌の状態やたるみは一定ではないため、1度きりの大きな手入れよりも、定期的に細やかなメンテナンスをした方が、長期的に美しい状態を保ちやすくなります。
真皮より下に挿入された糸は、周囲の組織へ刺激を与えコラーゲンの生成を促します。
自身の肌で生成されたコラーゲンは、糸リフトの効果が衰えたあとも、たるみの予防効果を発揮します。
こちらの患者様は、面長感や頬コケ感が気になると来院され、糸リフトを受けられました。
たるみ感が少ない患者様でしたが、1ヵ月後は糸リフトの効果でお顔全体が引き締まり、すっきりとしました。
たるみがまだあまりない30代での糸リフトは、その後のたるみの進行を遅くしてくれる効果もあるためおすすめです。
糸リフトは、ケガではなく針で糸を挿入する手術のため、挿入部に小さな針跡は残るものの、通常は大きな傷跡が残ることはありません。
しかし、傷ができた際にケロイドになりやすいケロイド体質の方やアトピー体質の方は、糸リフトだけでなくその他の美容施術を受ける際には注意が必要です。
ケロイド体質の方やアトピー体質の方は皮膚に炎症を起こしやすいため、皮膚への刺激がきっかけで強すぎる炎症反応をおこす可能性があります。
ケロイドは皮膚の深い部分である真皮で炎症が長引いてしまうと、瘢痕組織(コラーゲン)ができて皮膚が盛り上がった状態になってしまう症状です。
ケロイド体質の方は溶ける糸であるかは関係なく、糸リフトにより強すぎる炎症反応が出る可能性があるため、事前に医師に相談してください。
溶ける糸を糸リフトに使用することに関して、極端に「溶ける糸が炎症を起こしやすい」ことを心配しすぎる必要はないでしょう。
しかし、糸リフトを始めとするHIFUなどの肌への美容施術を受ける際は、ケロイド体質やアトピー体質の方は注意が必要です。
スワンクリニック銀座では全員に同じ施術をご提案するのではなく、一人ひとりに最適な施術をご提案しています。
一人ひとりに最適な施術で自然な変化を感じたい方は、スワンクリニック銀座へご相談ください。
スワンクリニック銀座院長/日本形成外科学会専門医・医学博士
福澤 見菜子
2006年 | 慶應義塾大学医学部卒業 |
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2008年 | 東京大学医学部付属病院 形成外科美容外科 入局 |
2012年 | 大塚美容形成外科 千葉院院長 就任 |
2017年 | 湘南美容クリニック 松戸院院長 就任 |
2019年 | 湘南美容クリニック 赤坂見附院院長 就任 |
2020年 | 医学博士取得 |
日本美容外科学会(JSAPS、JSAS) 正会員 |
日本形成外科学会専門医 / 医学博士 |
埼玉医科大学総合医療センター形成外科・美容外科 ⾮常勤講師 |