2022.06.27:コラム
加齢とともに生じてくる、顔のシワやたるみ、かさつき、といった肌の悩みをかかえている方は少なくありません。
ハイフ(HIFU)は超音波の熱エネルギーにより、肌の深部までアプローチをすることで、たるみやシワの改善、肌質改善など幅広い美容効果を得られる施術方法です。
ここではハイフの仕組みから、効果と副作用、適切な施術を受けるためのクリニック選びのポイントを紹介していきます。
ハイフ(HIFU)は「切らないリフトアップ・小顔治療」として人気の医療機器を当てる施術方法です。
メスを使用しないので、皮膚表面へダメージを与えることなく、皮膚の内側から熱で肌を引き締めることができます。
正式には「高密度焦点式超音波」といい、照射深度の異なるマシンで、皮膚の薄い層から、皮下の深い層まで、幅広い皮膚トラブルに対応できる施術です。
肌の表面から照射しても、肌の内部へアプローチできます。
切開など肌の表面を傷つけることをせずに、シワやたるみ、リフトアップへの治療が可能です。
ハイフは高密度の超音波エネルギーを使用します。
ハイフを照射すると、たるみの原因となる真皮(肌の奥深く)や皮下脂肪に超音波が当たります。
ハイフの照射は、肌のハリのために必要な「皮下組織を一時的に縮ませます。
組織が縮んでしまうことは、一見、肌に良くなさそうに思います。
しかし、コラーゲンを修復しようとする再生能力を刺激することで、肌の細胞やコラーゲンが生まれ変わり、たるみのないハリのある肌になります。
ハイフの特長のひとつとして、真皮層だけでなく、更に深いSMAS層(筋膜)にまで高密度の超音波エネルギーを届けることができます。
真皮層だけではなく、筋膜にもアプローチできることで、より強力に組織を引き締めることができるのです。
ハイフに使われる高密度超音波は、肌や皮下組織にピンポイントで熱を与えます。
熱を与えることで細胞を変性させ、組織が修復・再生されていく過程で美容効果が得られます。
具体的には、顔のたるみを解消するタイトニング効果、コラーゲンの増生による美容効果や肌質改善、小顔効果、二重あごの解消などの効果を得ることができます。
ハイフの効果が継続する期間には個人差や照射方法、機械による差がありますが、おおむね3ヶ月~1年程度といわれます。
コラーゲンや細胞を壊して、再生していくまでに少し時間がかかるので、施術から1ヶ月~半年くらいで効果を強く感じることができます。
ハイフの施術はこのような方におすすめです。
・頬や目元のたるみが気になり始めた
・ほうれい線が気になる、目立っている
・フェイスラインをすっきりとさせたい
・二重あごが気になる
・目元、顔の小じわが気になる
・メスを使わずにたるみケアをしたい
・小顔になりたい
肌を切らずに広範囲に超音波を照射し、細胞の再生を促すハイフは、メスを使用する美容整形と比較して肌や皮膚へのダメージ、ダウンタイムが少ないことが特長です。
しかし超音波を照射するので、出力が強すぎたりショット数が多いと火傷をしてしまうことがあります。
また、人によって施術箇所に赤みやひりつきを生じますが、数日で解消されることが多いです。
これらは個人に合わせた適切な照射の強さや、頻度で施術をおこなえば、ほとんど防ぐことができる副作用です。
ハイフは痛みが少ない治療ではあるのですが、全く痛みが出ないというわけではなく、チクチクするような痛みを感じることがあります。
特に目元など皮膚が薄い部分や、下顎など骨に近い部分は少し痛みが強くなります。
他の副作用として、人によって術後肌が乾燥する方がいらっしゃいます。(人によっては、逆に肌がつるっと潤うこともあります)
術後は、スキンケアを念入りにおこない、1週間は保湿と紫外線対策を徹底しましょう。
医療ハイフもエステハイフも、どちらも施術の内容や仕組みは同じですが、「機械の出力強度」「効果や持続時間」「価格」「リスクの違い」の4点で異なります。
医療ハイフとエステハイフでは機械の種類、出力パワーに差があります。
エステサロンには医師がいないため、医療用の高出力の機械を使うことができません。
美容外科やクリニックの医療ハイフは出力が強く、たるみの原因で肌の深いところにあるSMAS層(筋膜層)まで強くしっかりと届きます。
しかしエステハイフは、出力が弱いためSMAS層まで超音波が届きにくいのです。
もしエステハイフを受ける場合は、たるみをしっかりとケアするところまでは期待せず、多少の美肌効果(家庭用の美顔器を想像してみてください)程度に考えるのが良いでしょう。
(この辺、余計なら省いてもOKです)
医療ハイフとエステハイフではレーザーの出力が異なるため、ハイフの施術後の効果や持続時間にも違いがでてきます。
医療ハイフの持続期間は、およそ3ヶ月~1年間といわれます。
しかしエステハイフの場合は、医療ハイフよりも効果がでにくいため、1ヶ月前後という期間で複数回の施術を受ける必要があります。
レーザーの出力や効果が異なるため、医療ハイフとエステハイフでは価格も異なってきます。
基本的にエステハイフは、美容外科やクリニックでの医療ハイフよりも低価格に設定されています。
エステハイフは安く受けられる点が魅力ですが、十分な効果を得るためには医療ハイフよりも頻回に施術を受けなければなりません。
ハイフによる施術は医療行為とされているので、本来は医療従事者による機器の取り扱いしか認められていません。
そのためエステティシャンは、医療用と同等の出力でのハイフを使用することができないのです。
また、肌への負担が少なく、副作用やダウンタイムはほとんどないといわれるハイフですが、人によっては赤みや、ほてりなどの肌トラブルが生じる場合があります。
そういった際に医療ハイフであれば、医療機関ですのですぐに適切な対応を受けることができます。
ハイフでの高い治療効果、安全な施術を受けたい方は必ず医療機関、クリニックで施術を受けるようにしましょう。
ハイフによって得られる美容効果について、これまで簡単に紹介してきましたが、もう少し具体的に解説していきます。
ハイフの高密度超音波によって、肌の表面から奥深くまでの細胞や筋膜が一度損傷をうけます。
ダメージを受けた細胞や筋繊維は再生していきますので、引き締まった肌に変わっていきます。
組織引き締められてハリがでることで、シワやたるみを改善する効果があります。
ハイフの高密度超音波は、肌の奥深くの筋膜まで届くことが大きな特長です。
筋肉、つまり肌の土台が生まれ変わってハリが出るので、フェイスラインをはじめとして全体的に肌を引き締めることができます。
ハイフを照射することで、肌のコラーゲンが一度ダメージを受けます。
細胞の再生能力で、皮膚の内側のコラーゲンが産生されるため、肌のアンチエイジング効果を得ることもできます。
ハイフを顎下やフェイスラインに当てることにより脂肪細胞を破壊します。
溶けた脂肪は血管を通して自然に体外へ排出されます。
破壊された脂肪細胞は極端に体重が増加しなければ、元に戻ることはなくリバウンドが起こりにくいのが特長です。
ハイフの効果を前述してきましたが、痛みの程度や副作用には何があるのでしょうか。
ハイフは副作用やダウンタイムが少ない施術といわれますが、肌トラブルのリスクはあります。
リスクを知り、対策をしてハイフを施術することで、より効果を実感することができるでしょう。
リスクや副作用について解説していきます。
近年は、機械の改良により、極力お痛みの少ない状態でも効果的な出力で照射することが可能になりました。ただしそれでも、
ハイフは施術中に多少の痛みをともなうことがあります。
痛みの種類は2種類あり、「熱さの痛み」と「骨に響く痛み」です。
高出力の超音波のエネルギーの熱による痛みと、超音波が骨に反響して生じる痛みです。
痛みの感じ方には個人差がありますが、皮膚のうすい箇所である目元や骨に近い顎付近は、痛みを感じやすいといわれます。
ハイフの出力を下げると痛みも軽減されることが多いですが、あまり出力を下げてしまうと効果も半減してしまいます。
施術者の打ち方や出力の調整など、技術面でも痛みの感じ方は変わってくるので、経験豊富で技術力の高いクリニックを選びましょう。
基本的にほとんどダウンタイムはありません。
ただし、人によっては施術後には2週間程度のダウンタイムを生じるケースがあります。
可能性のあるダウンタイムを知って施術を受けることで、施術後の症状に対する不安も軽減され、万が一のときは適切な対処ができます。
また、人に見える肌の部分ですので、大切な予定は施術後2週間は避ける、などのスケジュール調整をしてハイフに臨めるでしょう。
ダウンタイムで生じる代表的な症状を紹介します。
高密度な超音波エネルギーを照射するので、肌の表面が赤くなることがあります。
通常はほんのりと赤くなる程度なので、メイクなどで隠すことができます。
また、施術後1週間程度は肌が敏感な状態になっているので、紫外線対策や保湿対策を徹底しましょう。
ハイフの施術後はむくみが生じることがあります。
特に脂肪細胞が多い人の場合、むくみの症状が出やすいといわれます。
施術直後は、リフトアップや小顔効果を感じられず不安に思う方もいるかもしれませんが、施術から1ヶ月後くらいにはむくみが引き、美容効果を実感できます。
もし、むくみを生じたとしても、自分の組織が反応している証拠だな、と思い、気にせず過ごしていればじき収まりますし、1ヶ月後にはさらに効果を実感できると思います。
ハイフの施術では肌の深い層にある筋組織までアプローチするので、術後に筋肉痛のような痛みを生じることがあります。
日常生活に支障をきたすほどの痛みではないのでご安心ください。
ハイフを施術することでの副作用はリスクについても、きちんと知ったうえで施術を受けることが大切です。
ハイフでは高密度の超音波を皮膚に当てる施術方法です。
熱エネルギーを生じさせるため、皮膚表面の火傷をしてしまう可能性があります。
赤みがかなり強くでてしまったり、水ぶくれができた場合にはすぐにクリニックへ問い合わせましょう。
フェイスラインのリフトアップや、小顔効果のあるハイフですが、効果が強すぎてしまい痩せこけたように見えてしまうことがあります。
カウンセリングの際に、施術者と施術後のイメージの共有をすることが大切です。
また、経験豊富で技術をもつ施術者に施術を受けられるように、クリニック選びも重要です。
前述した通り、ハイフの美容効果を最大にし、副作用や肌トラブルを回避するためには、技術の高いクリニックを選択することが重要です。
クリニック選びのポイントを紹介していきます。
ハイフの施術では施術前にカウンセリングをおこないます。
そこではハイフの施術方法やその効果、発生しうる副作用や万が一の際の対応方法などを説明されます。
質問や疑問点はここでしっかり解決しておくことが大切ですし、クリニックの受け答えや質問に対する返答が納得できるものであることを確認しましょう。
実績や症例はクリニックの実力をわかりやすく知ることができます。
期待する美容効果が得られるかどうか、カウンセリングで質問するとともにHPで実績や症例で確認することで、より施術後のイメージができるようになります。
また口コミはクリニックサイドではなく、施術を受けた人のリアルな感想を知ることができます。
こんなはずじゃなかった、とならないためにも実際に施術を受けた人のメッセージを見ることは大切な情報となるでしょう。
ハイフの施術効果は半年~1年間といわれていますが、施術から3ヶ月ほどで2回目の施術を受けることでさらに治療効果が見込まれます。
クリニックでの施術の場合、頻繁に通院する必要はないのですが、万が一肌へのトラブルが生じてしまった場合には通院することもあります。
ハイフを継続する場合や、トラブルの対応のことなどを考慮すると自宅から通いやすいクリニックの方が安心といえます。
いかがだったでしょうか?
スワンクリニックでは、ハイフの症例も多く、みなさんが安心してご来院できるよう心がけております。是非、お気軽にお越しください。
スワンクリニック銀座院長/日本形成外科学会専門医・医学博士
福澤 見菜子
2006年 | 慶應義塾大学医学部卒業 |
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2008年 | 東京大学医学部付属病院 形成外科美容外科 入局 |
2012年 | 大塚美容形成外科 千葉院院長 就任 |
2017年 | 湘南美容クリニック 松戸院院長 就任 |
2019年 | 湘南美容クリニック 赤坂見附院院長 就任 |
2020年 | 医学博士取得 |
日本美容外科学会(JSAPS、JSAS) 正会員 |
日本形成外科学会専門医 / 医学博士 |
埼玉医科大学総合医療センター形成外科・美容外科 ⾮常勤講師 |